JFA 第18回全日本ビーチサッカー大会が9月8日(金)から10日(日)にかけて兵庫県の明石市大蔵海岸で開催されます。
2020年、21年は新型コロナウイルスの影響により中止となり、昨年度、3年ぶりの全国大会が開催されました。その大会を制したのはビーチサッカー日本代表の茂怜羅オズ監督兼選手を擁する東京ヴェルディBSでした。2回戦のアヴェルダージ熊本BS戦では7-6と僅差のゲームとなりましたが、その他の3試合では4点差以上を付けての快勝で頂点へと駆け上がりました。この優勝により史上初の4連覇を達成。今大会でも優勝候補の筆頭に挙げられます。
2021年のFIFAビーチサッカーワールドカップロシア2021で日本代表は初のファイナルに進出。惜しくも決勝で破れたものの、世界2位の称号を得ました。今年11月にアラブ首長国連邦(UAE)で開催予定のワールドカップへの出場も決めています。ワールドカップ初優勝に向けて重要な意味を持つ今大会。世界トップレベルのプレーにぜひともご注目ください。
今回は強じんなフィジカルと得点力でFIFAビーチサッカーワールドカップロシア2021準優勝に貢献したビーチサッカー日本代表の赤熊卓弥選手(ラソアペーゴ北九州)に所属チームについてやビーチサッカーの魅力などについて聞きました。
○オンライン取材日:2023年9月1日
――ご自身は5年ぶりの全国大会出場ですが、2020年設立の現チームは初出場となります。
赤熊 前回の九州大会では準決勝と3位決定戦で連敗して全国行きを逃しました。悔しさを含めたそうした経験を、今回は発揮できて九州第1代表の座をつかむことができたと思います。一人一人の「負けられない」「全国に行きたい」という気持ちが強く、去年とは迫力が全然違いました。
――チームでは普段どのような活動をされているのですか。
赤熊 平日は夜に週3回、土日は明るいうちと、週5日練習しています。みんな仕事しながらなのでなかなか大変だと思いますが、何とか時間を調整したり、家族の理解を得ながら活動しています。
――チームはどのような目標を掲げているのでしょう?
赤熊 日本一を目標に活動しています。練習の強度や質を高め、時間も増やしてきました。うまく活動できていると思っていた昨年は九州大会で負けてしまったのですが、そのおかげでまた一皮むけたと思います。
――ビーチサッカーのスタイルはどのようなものですか。
赤熊 基本的に攻撃的なチームです。あまり守りに入らず、相手とどんどん打ち合って、競り勝つチームですね。どんどん前に出ていく、推進力があると思います。
――メンバーのキャリアは長いのですか。
赤熊 キャリアとしては僕が真ん中くらいで、平均年齢は結構高いんです。38歳や40歳の選手も試合に出ます。若手も成長してますが、まだまだベテランの力は健在です。ベテランの選手達は毎年「もう引退するよ」と言いながら、「やはり若手には負けられない」と頑張り続けています。
――ビーチサッカーの魅力は何だと思いますか。
赤熊 僕がこの競技に釘付けになった理由の一つが、オーバーヘッドキックでした。ジャンピングボレーなど、大好きな「キャプテン翼」に出てくる技がバンバン飛び出して、「これはまるで漫画の世界だ」と感じて、やってみたいと思ったんです。実際にできるようになって、今に至っても、やればやるほど奥深さを感じています。そういうところも競技を続ける理由のひとつだと思います。
それに、競技を始めて1年も経たないうちに、日本代表の選手と試合ができました。サッカーだと考えられないことだし、その時に代表選手のすごさと、日の丸を背負うことへの憧れを感じました。今は自分自身が日本代表という立場になったので、若い選手にそう思ってもらえる選手にならないといけないと思っています。
――オーバーヘッドの奥深さを、少し教えていただけますか。
赤熊 相手は跳んでブロックするので、打つタイミングやブロックの位置などただオーバーヘッドを打つだけではなくていろいろな駆け引きがあります。僕自身、体の大きい外国の選手にも当たり負けしないところが強みで、そうした迫力はビーチサッカーを知らない人が見ても伝わると思います。
――今大会、どんな目標がありますか。
赤熊 世界で得点王になるのが、僕の夢の一つです。最近プレーしたスペインでも、得点王になれました。スペインでは苦手だった細かい動きを求められ、そうした点でも成長したと感じているので、これまでとまた違った姿をお見せできると思っています。僕が点を取ることがチームの勝利につながると思うので、今大会でもたくさん点を取り、得点王になることにこだわりたいです。
――気になるチームはありますか。
赤熊 どのチームも強いと思いますが、初戦は開催地代表のBSC明石アレイアとの対戦です。地元の応援は大きいでしょうし、初戦は難しいものですから、まずはその一戦に向けて気を引き締めようと、チーム内で話し合っています。
――優勝への自信はありますか。
赤熊 あります。今回、ブラジルから助っ人が加わりました。世界で活躍してきたその選手が後ろでバランスを取ってくれるので、推進力という僕らの持ち味を出しやすくなり、チーム力は2回りくらい大きくなったと思います。僕自身がスペインでつかんだ自信も含めて、披露したいと思います。
大会日程:2023年9月8日(金)~2023年9月10日(日)
大会会場:兵庫県/明石市大蔵海岸