JFA 第17回全日本ビーチサッカー大会が9月9日(金)に兵庫県の明石市大蔵海岸公園で開幕します。
第15回、第16回大会は新型コロナウイルスの影響で中止となり、3年ぶりの開催となる今大会。9地域から選出された16チームが出場し、3日間にわたって熱戦を繰り広げます。大会形式にも変更があり、オールノックアウト方式で日本一を決します。また。1回戦敗者戦と3位決定戦も行われます。
大会は東京ヴェルディビーチサッカー(関東1/東京)が3連覇中。ビーチサッカー日本代表で監督も務める茂怜羅オズ選手を中心としたチームは、今大会も優勝候補の筆頭に挙げられます。オールノックアウト方式になったことで東京Vと対戦するチームは“ジャイアントキリング”を狙ってくるでしょう。そこを跳ね返して頂点に到達できるか注目が集まります。
昨年8月に開催されたFIFAビーチサッカーワールドカップロシア2021でビーチサッカー日本代表は準優勝に輝きました。今大会にもワールドカップで活躍した選手が多数出場。ぜひワールドクラスのプレーを会場で体感してください。
ここでは大会3連覇中の東京ヴェルディビーチサッカーから山内悠誠選手に登場いただき、東京Vの強さの秘訣やビーチサッカーの魅力について聞きました。
※オンライン取材日:2022年9月1日
――本大会は新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となります。大会の印象はいかがでしょうか。
山内 長年参加してきて、年々、チームのレベルもそうですが、大会自体も充実してきたと感じます。第1回目からしばらくはソーマプライアとレキオスFCの2強時代だったので、その他のチームはどうやって3位に食い込むか、というような大会でした。試合時間に関しても、昔は3チームごとのリーグ戦で各グループの1位が勝ち上がって、試合時間も2ピリオド制で決勝だけ3ピリオド制でしたが、今は全試合が国際基準である3ピリオド制で行われています。今回からオールノックアウト方式に変わって、天皇杯に近い形で開催され、日本一を決める大会だという認識がより広まるのではないかと思います。
――現在、東京Vが大会を3連覇していますが、毎大会、ドラマチックな勝ち方をしているという印象を受けます。
山内 大会なので格下の相手に必ず勝てる保証はどこにもありません。これはどのスポーツでも同じだと思っています。昔はそんな中でも絶対に勝てる大会でした。今はヴェルディがずっと優勝していますが、どこで転んでもおかしくないほど周りのレベルは上がってきていて、すごく難しい大会になったと感じます。
――ヴェルディの強さの秘訣はどこにあると考えていますか。
山内 おごらない、勘違いしないところだと思います。チームが強くなっていくとどうしてもそういう慢心や油断が出てきてしまうものですが、そこは茂怜羅オズ監督がしっかりと引き締めてくれます。僕もオズ監督をサポートして、足元をすくわれないように意識しています。相手がどんなチームであれ、絶対に戦わないと勝てないということはずっと感じてきています。決勝であれ、1回戦であれ、同じ気持ちで戦わないと勝てないということを、本質的に理解している選手が多いですね。
――天皇杯と同じオールノックアウト方式になったことで、相手も“ジャイアントキリング”を狙ってくるのではないかと思います。
山内 個人的には追われる立場というよりも、追う立場にいると常々考えています。もちろん相手はヴェルディを倒してやろう、大金星を狙ってやろう、と向かってきますが、それを迎え撃つつもりでプレーしていません。相手と同じ目線、同じ気持ちで戦いたいと思います。
――自身のプレーではどういうところを見てほしいですか。
山内 点を取るポジションなので、得点シーンを見てほしいですね。得点パターンもビーチサッカーではオーバーヘッドシュートが主流ですが、僕はドリブルからのシュートを得意としています。周りからは簡単に点を取っているように見えると思いますが、ビーチサッカーでは砂の上でドリブルするのは実は結構難しいんです。
――現在36歳(取材時)ですが、次のワールドカップも見据えているかと思います。
山内 選ばれる、選ばれないは監督が決めることですが、現役でプレーしているうちはずっと代表でいるつもりです。そのためにもこの大会で結果を残さないといけません。年齢を感じさせず、周りにも評価してもらえるようでなければいけないと日頃から思っています。そこは大前提として頑張っていきます。
――最後に全国のサッカーファミリーに向けてメッセージをお願いします。
山内 ビーチサッカーの競技としての魅力や面白さを感じてほしいです。ヴェルディに限らず、各チームにいろいろな特徴を持った選手がいます。会場に来られる方にはぜひビーチサッカーを観戦する楽しさのきっかけを一つ見つけてもらって、普及の輪が広がっていってほしいと思います。ヴェルディとしては4連覇が懸かっているので圧倒的な戦いで優勝して、「やっぱり最強だね」と言ってもらえるような結果を残して、また違ったビーチサッカーの魅力を伝えていきたいです。エンターテイメント性が高く、お祭りのようなのでぜひ一度会場で見てほしいですね。
大会日程:2022年9月9日(金)~2022年9月11日(日)
大会会場:兵庫県/明石市大蔵海岸