全国のビーチサッカーファミリーの活動をリレー形式で伝える【ビーチサッカー連盟便り】(「JFA News」『蹴球通信』欄内)。
連載5年目のスタートは、2022年2月・3月号と続くスペシャル企画です!
日本ビーチサッカーの新しい景色に向けて①
JFAナショナルコーチングスタッフ/ヴィアティン三重BS
田畑 輝樹 TABATA Teruki
◆2021年ロシアワールドカップ「準優勝」という結果の評価
>普段とは違う状況、ワールドカップという大きな大会、どこと対戦しても強豪ですし、その真剣勝負で決勝まで進んでの準優勝は素晴らしい成果だと思っています。選手たちの努力のたまものであり、そして今までビーチサッカーに関わり支えてくれたたくさんの方々のおかげでもあります。心から感謝しています。同時に負けて優勝できなかった悔しさも大きいです。自信と誇りを抱きつつも、さらなるレベルアップを図り、次は優勝を取ります。
◆大会前の競技規則の改正(ゴールキーパー(GK)が自陣内で4秒を超えてボールをコントロールできない等)のチーム戦術・戦略への影響
>情報を収集し、改正前から国内合宿で対策に取り組んでいました。多少の戦術変更や戦い方に変更はあったもののベースになるところは変わらないので、特に気にすることもなく、スムーズに対応できました。
◆技術・戦術の変化、現在のトレンドについて
>ビーチサッカーに求められる技術はどの国も向上しています。スコップ(砂の上のボールを浮かす技術)においては、多くの選手はボールを踏んでからコントロールしてきましたが、砂の上を転がっているボールをそのままスコップする選手が増えています。私がビーチサッカーを始めた15年前から、スピーディーな展開が求められるようにルール改正が繰り返されてきました。それらに伴い求められる技術も戦術も変わってきています。戦術面では、ベースとなるシステムは3-1・2-2など、どの国も共通しています。選手の特徴や能力によって採用する戦術は異なると思います。その中でも、個人技ベースで戦うブラジルや身体能力を生かしたアフリカ勢もいます。日本は、対戦相手や試合状況によって、3-1・2-2など戦術を使い分け相手や試合状況に応じて変化しながら戦っています。そして、ワールドカップの決勝ではどの国もまだやっていない守備戦術を初めてトライし上手く機能したこともあり、今後はトレンドだけを追いかけるのではなく、他国にはない独自の戦い方を確立していくことも重要な部分になってくると思っています。僕の頭の中に、新しいアイデアがあるので、楽しみにしていてください。
◆国内でプレーするビーチサッカー選手の評価
>厳しい言い方にはなりますが、世界で戦えるレベルの選手はまだ限られていていると思っています。GKは勝敗を左右する特別な役割を担っているポジションです。ゴールを守る能力はもちろんのこと、フィールドプレーヤー(FP)と同じようにシュートやパス、ゲームをコントロールする技術や戦術眼が求められます。これらを兼ね備えている選手はなかなかいません。
FPに関しては、どのポジションにも良いものを持っている選手はいますが、それぞれの武器をさらに磨いていく必要を感じています。
※後編(3月号)につづく
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